この記事は、note「SNS採用ラボ」にも載せています。
どちらが得か、では決まらない
払い方を決めるとき、こんな迷いが出ます。
「紹介の請求書が来るたびに、金額に驚く。けれど月額のサービスは、採れなかったときにお金だけ出ていきそうで怖い」
どちらの不安も、もっともです。そして、どちらの払い方が得かは、会社によって変わります。この記事では、月額固定と成功報酬のどちらが自社に合うかを決める軸を3つお伝えします。どちらかが正しい、という話ではありません。
2つの払い方の違い
まず、仕組みの違いを整理します。
- 成功報酬:採用が決まったときにだけ払う。1人採るごとに費用がかかる
- 月額固定:採れても採れなくても、毎月決まった額を払う。何人採っても額は変わらない
成功報酬の水準は、国の集計で確かめられます。厚生労働省の「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」では、有料職業紹介の常用就職1件あたりの手数料は約103万円でした。医師や管理職なども含めたすべての職種の平均なので、自社の職種での額は契約で確かめてください。
軸1:年に何人採るか
1つ目の軸は、採る人数です。
成功報酬は人数に比例します。月額固定は、人数が増えるほど1人あたりの費用が下がります。
計算は、次の式でできます。
- 月額固定の1人あたり = 月額 × 12か月 ÷ 1年で採れた人数
- 成功報酬の1人あたり = 契約の手数料
仮に、成功報酬が1人100万円、月額固定が年間200万円だとします。年1人なら成功報酬のほうが安く、年2人で同じ、3人目からは月額固定のほうが1人あたりは安くなります。
年に1人採るかどうか、という会社なら、成功報酬が向いています。毎年複数の人を採る会社なら、月額固定を比べる価値があります。
計算するときは、去年の実績ではなく、来年に採りたい人数で考えます。あわせて、採れなかった場合も一度計算しておきます。月額固定で1人も採れなければ、1人あたりの費用は出せません。その場合に払う額を、会社として受け止められるかも確かめておきます。
軸2:社内で動ける時間があるか
2つ目の軸は、社内の時間です。
成功報酬の紹介では、候補者を探すところを紹介会社が担います。社内は、紹介された人に会うことに集中できます。
月額固定のサービスは、探す・声をかける・返事をする・会う、のうち、いくつかを自社で動かすものが多くあります。担当者が週に数時間も割けない時期なら、月額を払っても動かせず、費用だけがかかります。
契約の前に、担当者が週に何時間使えるかを確かめておきます。
反対に、成功報酬の紹介でも、社内の時間がまったく要らないわけではありません。紹介された人の書類を読み、面接の日程を組み、合否を返す時間はかかります。払い方の違いは、時間がかからないかどうかではなく、どこに時間を使うかの違いです。
軸3:採用のあとに、何を残したいか
3つ目の軸は、採用のあとに残るものです。
紹介で会って採用しなかった人に、あとから連絡できるかは、紹介会社との契約しだいです。次の採用は、また新しく紹介をお願いするところから始まります。
自社で声をかけた人の記録は、会社に残ります。今回は見送った人や、時期が合わなかった人にも、次の採用のときにもう一度声をかけられます。採用を続けるほど、手元の名簿が育っていきます。
来年も採用を続けるなら、今年の採用で何を残すかも、払い方を選ぶ材料になります。
職種ごとに、組み合わせる
どちらか一方に決める必要はありません。
- 専門職や管理職など、紹介でなければ出会いにくい職種は、成功報酬の紹介を使う
- 毎年くり返し採る職種は、月額固定で自社から声をかける
職種ごとに線を引いておくと、1年の採用費の見通しが立ちます。
線を引くときは、過去1年の採用を職種ごとに書き出すところから始めます。職種、採った人数、使った入口、かかった費用の4つで十分です。毎年採っている職種と、数年に一度しか採らない職種が分かれば、払い方の向き不向きも見えてきます。
まとめ
- 成功報酬は採れたときだけ、月額固定は人数にかかわらず毎月かかります
- 常用就職1件あたりの紹介手数料は約103万円です(厚生労働省・令和6年度、全職種平均)
- 軸1:年に何人採るか。人数が多いほど月額固定の1人あたりは下がります
- 軸2:社内で動ける時間があるか。時間が無い時期の月額固定は動かせません
- 軸3:採用のあとに何を残したいか。自社で声をかけた人の記録は会社に残ります
- 職種ごとに払い方を分けて組み合わせます
