この記事は、note「SNS採用ラボ」にも載せています。
目次
「1名採るのに、いくらかかっていますか」
この問いに、請求書を見ずに答えられるでしょうか。
「紹介の手数料はだいたい分かる。でも求人サイトや自社の採用ページまで入れると、全部でいくらかは分からない」
採用単価が分からないままだと、どの入口にお金をかけるべきかが決められません。来年の予算を決めるときも、去年と同じ額をそのまま置くことになります。この記事では、採用単価の出し方と、入口ごとに比べる手順をお伝えします。手元の請求書と表計算があれば出せます。
採用単価の基本の式
採用単価は、次の式で出します。
採用単価 = 1年間の採用費の合計 ÷ 1年間に採用した人数
たとえば、1年間の採用費が600万円で、5人採用したなら、採用単価は120万円です。
難しいのは割り算ではなく、「採用費の合計」に何を入れるかです。ここが会社ごとにばらばらなので、比べられない数字になりがちです。
もう一つ決めておくのは、期間の区切りです。採用費を払った月と、入社した月がずれることはよくあります。おすすめは、会社の決算期と同じ1年で区切り、その1年に払ったお金と、その1年に入社した人数で割ることです。毎年同じ区切りで出せば、年ごとに比べられます。
採用費に入れるもの
採用費は、外に払ったお金と、社内でかかったお金に分けて書き出します。
外に払ったお金
- 紹介会社への手数料
- 求人サイトの掲載料
- スカウトや採用のサービスの利用料
- 採用ページや求人原稿の制作費
- 説明会の会場費、交通費
社内でかかったお金
- 担当者が採用にかけた時間
- 面接に出た社員の時間
社内の時間は、見落とされやすい費用です。面接の準備、日程の調整、合否の相談。一つひとつは短くても、1年分を足すと大きな時間になります。おおまかでいいので、次の式で出しておきます。
社内の費用 = 採用にかけた時間 × 1時間あたりの人件費
たとえば、担当者が週に5時間、面接官が月に10時間を使っていれば、1年で約380時間です。忘れずに入れると、入口ごとの比べ方が変わることがあります。
外に払うお金が少なくても、社内の時間を多く使っている入口があります。反対に、外に払うお金は大きくても、社内の時間はほとんどかからない入口もあります。両方を足して、はじめて同じ物差しで比べられます。
入口ごとに分けて出す
合計の採用単価が出たら、次は入口ごとに分けます。表計算に、次の列を作ります。
| 入口 | 外に払ったお金 | 社内の時間 | 採用した人数 | 1年後も在籍 |
|---|---|---|---|---|
| 紹介 | ||||
| 求人サイト | ||||
| 自社の採用ページ | ||||
| 自社から声をかけた | ||||
| 社員の紹介 |
入口ごとに「(外に払ったお金 + 社内の時間の費用)÷ 採用した人数」を出します。
最後の列の「1年後も在籍」も、書いておきます。単価が安くても、すぐに辞めてしまう入口なら、もう一度採り直す費用がかかります。
入口が分からない人がいたら、本人や面接をした人に聞いて埋めます。「求人サイトで見て、採用ページも読んで応募した」のように入口が重なるときは、最初に会社を知った入口に入れる、とルールを決めておきます。ルールさえ毎年同じなら、細かいところは気にしなくて構いません。
出したあとに見る3つのこと
1. 人数がゼロの入口
お金をかけているのに、1人も採れていない入口があれば、まずそこを見直します。応募は来ているのか、面接まで進んでいるのか。どの段で止まっているかを確かめてから、続けるかを決めます。
2. 人数が増えると単価が下がる入口か
紹介の手数料は、採るほど同じ額が積み上がります。掲載料や月額の利用料は、採る人数が増えるほど1名あたりが下がります。来年の採用人数で、もう一度計算してみます。
3. 来年に残るものがあるか
自社の採用ページや、自社から声をかけた人の記録は、来年の採用にも使えます。今年の単価だけでなく、来年の単価を下げる入口かどうかも見ておきます。
たとえば、今年は時期が合わずに見送った人も、来年もう一度声をかけられれば、その分の探す手間がかかりません。今年の採用費の一部は、来年の採用の準備にもなっています。
まとめ
- 採用単価 = 1年間の採用費の合計 ÷ 1年間に採用した人数です
- 採用費には、外に払ったお金と、社内でかかった時間の両方を入れます
- 入口ごとに単価を出し、1年後も在籍しているかも並べます
- 人数がゼロの入口、採るほど単価が下がる入口、来年に残る入口を見ます
- 毎年同じ式で出すと、採用費の見直しが続けられます
