この記事は、note「SNS採用ラボ」にも載せています。
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「うちの社風に合う人」が、人によって違う
社長と現場のリーダーで、採用の評価が割れることがあります。
「社長は『うちに合う人』と言う。現場のリーダーも『うちに合う人』と言う。けれど、同じ候補者を見て、二人の評価が正反対になる」
社風やカルチャーは、社内の人にとっては当たり前すぎて、言葉にしないまま採用が進みがちです。言葉になっていないものは、面接官ごとに違う意味で使われます。
多くの会社には、理念や行動指針があります。「お客様第一」「挑戦」「誠実」。どれも大切な言葉です。ただ、採用の基準としては、そのままでは使えません。「挑戦を大切にしますか」と聞かれて、いいえと答える候補者はいないからです。どの会社にも当てはまる言葉は、候補者を見分ける手がかりになりません。
採用で使うには、理念を「現場で、実際にどう動いているか」に置き換える必要があります。この記事では、その手順を3つに分けてお伝えします。
手順1:二つの良いことの「どちらを取るか」で書く
いちばん使いやすいのは、どちらも良いことの組を並べて、自社がどちらに寄っているかを書く形です。
- 速く出して直す / 固めてから出す
- 一人で任せる / 相談しながら進める
- 決まった手順を守る / 毎回やり方を変えてよい
- 成果は個人で見る / 成果はチームで見る
- 言われる前に動く / 指示を確かめてから動く
- 話して決める / 書いて決める
どちらも良いことなので、正解はありません。だからこそ、自社の位置が言葉になります。
全部の組で真ん中を選びたくなったら、「実際に評価されているのはどちらの人か」「昇進した人はどちらだったか」で考えます。掲げている言葉より、評価や昇進に出ている行動のほうが、いまのカルチャーをよく表しています。
組は5〜8個あれば十分です。多すぎると、面接で見比べきれません。
手順2:選んだ側に、最近の「場面」を1つずつ添える
選んだ側には、それが分かる最近の場面を1つずつ添えます。
「速く出して直す」なら、「新しい提案書は、7割の出来で上司に見せ、その日のうちに直すのが普通」。「書いて決める」なら、「会議の前に、決めたいことを1枚にまとめて共有しておく」。場面があると、候補者の過去の話と見比べられます。
場面が思い浮かばない言葉は、実は今のカルチャーではないかもしれません。「これからこうなりたい」という願望の言葉と、今の姿を分けておきます。願望の言葉で採ると、入社した人は「聞いていた職場と違う」と感じます。
手順3:現場で確かめ、合わない人も仕事の場面で書く
社長や人事だけで書くと、理想に寄りがちです。書いた組を、現場の数人に見せて「今の職場はどちらに近いか」を聞きます。
聞くときは、書いた側を見せずに、組だけを見せて選んでもらいます。先に答えを見せると、多くの人はそれに合わせてしまうからです。入社して日の浅い人にも聞くと、外から来た人の目で、今の姿が見えます。
答えがそろわない組は、部署やチームでカルチャーが違う所です。その場合は、採用する部署のほうに合わせます。会社全体の言葉より、配属先の言葉のほうが、入社後の食い違いに直結するからです。
あわせて、自社では力を出しにくい人を、仕事の場面で書きます。「細かく指示がほしい人には、最初の半年がつらいかもしれない」のように、責めるのではなく、環境との組み合わせとして書きます。
ここで書くのは、仕事の進め方だけです。年齢・性別・出身・家族のこと、人生観や信条などは、カルチャーの言葉に入れません。本人と仕事に関係のないことは、採用の基準にしないためです。
言葉にしたら、どこで使うか
できた言葉は、採用のいくつもの場面で使えます。
- 候補者の書類を見るとき、どの組で食い違いそうかを見る
- 面接で確かめる質問を、食い違いそうな組から作る
- 面接官どうしで「合う」の意味をそろえる
- 求人や会社の発信で、どんな職場かを正直に伝える
特に最後の使い方は、見落とされがちです。「固めてから出す」職場だと先に伝えておけば、速く動きたい人は応募の前に自分で判断できます。合わない職場に入って苦労する人を、応募の前に減らせます。
言葉は一度で完成しません。採用のたびに、入社した人と食い違った所を見て、組や場面を書き直します。
まとめ
- 理念の言葉は、どの会社にも当てはまり、採用の基準としては使いにくい
- 二つの良いことの組で、自社がどちらを取るかを書く。評価や昇進に出ている行動で選ぶ
- 選んだ側に、最近の場面を1つずつ添える。願望と今の姿を分ける
- 現場の数人に確かめ、採用する部署の言葉に合わせる
- 合わない人は仕事の場面で書く。属性や思想は基準に入れない
