この記事は、note「SNS採用ラボ」にも載せています。
「何通送ればいいですか」という質問
スカウトを始めた会社から、「1日に何通くらい送ればいいですか」と聞かれることがよくあります。
答えにくい質問です。職種も、探す人の数も、使える時間も、会社ごとに違うからです。ただ、一つだけ言えることがあります。数を先に決めると、文面が軽くなるということです。
この記事では、送る数を「目標」からではなく「時間」から決める方法と、1通の重さを落とさずに続けるための手順をお伝えします。
数を先に決めると、何が起きるか
「週に100通」と先に決めると、1通にかけられる時間が決まってしまいます。時間が足りなくなると、まず相手の経歴を読む時間が削られます。
すると文面は、宛名だけを替えた同じものになっていきます。受け取る側はそれに気づき、返事をしません。返事が来ないので、さらに数を増やす。この繰り返しで、送る側だけが疲れていきます。
送った数は、採用の結果ではありません。会えた人の数が結果です。
送る数は、時間から逆算する
送る数は、次の式で決めます。
週に使える時間 ÷ 1通にかかる時間 = 週に送れる数
たとえば、週に2時間使えて、1通に20分かかるなら、週に6通です。少なく見えますが、6通すべてが一人ずつの文面になります。
1通にかかる時間は、最初の数通で実際に測ってください。相手の経歴や発信を読み、声をかける理由を1つ拾い、一文目を書く。ここまでの時間です。
測るときは、スマートフォンのストップウォッチで十分です。5通ほど測って、いちばん長かった時間を使います。短い時間で計算すると、忙しい週に予定が崩れ、また文面が軽くなるからです。
週に使える時間も、願望ではなく、予定表で実際に空けられる時間で考えます。採用担当がほかの仕事と兼ねている会社では、ここがいちばん崩れやすいところです。
1通を重くする3つのこと
1通の重さは、文面の長さではありません。「この人に送った理由」がはっきりしているかです。
- 送る前に、声をかける理由を1行で書けるか確かめる。書けない人には送らない
- 一文目に、相手が公開している仕事の事実を1つ置く
- 仕事の説明と会い方は、職種ごとに一度書いたものを使う
1つ目の「理由を1行で」は、たとえば次のような形です。
- 書ける:「既存のお客様を回る営業を続けながら、紹介で新しいお客様を増やした話を発信している。当社の営業の進め方と同じ」
- 書けない:「営業経験がある。年齢が合う」
書けない理由は、ほかの何十人にも当てはまります。それだけで送ると、文面もほかの何十人と同じになります。
3つ目が、数を守るための工夫です。一人ずつ変えるのは、一文目と理由のところだけ。残りは使い回すので、1通にかかる時間が短くなります。
数を増やすのは、いつか
時間から決めた数で、まず4週間続けます。そのあいだ、送った相手ごとに次のことを記録します。
- 送った日
- 拾った事実
- 返事が来たか、会えたか
4週間たったら、返事が来た文面と来なかった文面を並べて見比べます。どんな事実を拾ったときに返事が来たかが見えてきます。
見比べるときは、文面の長さや言い回しより、拾った事実の種類を見ます。経歴から拾ったのか、本人の発信から拾ったのか。仕事の進め方なのか、実績なのか。種類ごとに分けると、次に探す相手の条件にも生かせます。
数を増やしてよいのは、1通にかかる時間が短くなったときだけです。使える時間を増やすか、手順を見直して1通を早く書けるようになったら、その分だけ増やします。
送る相手を絞るほうが先
数を増やす前に、送る相手の条件を見直します。
条件が広すぎると、声をかける理由を書けない相手が増えます。理由が書けない相手に送っても、文面は軽くなるだけです。
- 職種だけでなく、どんな経験をしてきた人か
- どんな仕事の発信をしている人か
- 自社の仕事と、どこがつながるか
ここまで決めてから探すと、一人あたりの理由が書きやすくなります。結果として、1通にかかる時間も短くなります。
たとえば「営業経験3年以上」だけで探すと、候補は多く出ますが、一人ずつの理由はほとんど書けません。「法人のお客様を長く担当し、その仕事について発信している人」まで絞ると、候補は減りますが、送る全員に理由が書けます。
まとめ
- 数を先に決めると、1通が軽くなり、返事が来なくなります
- 送る数は「週に使える時間 ÷ 1通にかかる時間」で決めます
- 1通の重さは、送った理由が1行で書けるかで決まります
- 一人ずつ変えるのは一文目と理由だけ。残りは職種ごとに使い回します
- 4週間記録して見比べ、数を増やすのは1通が早く書けるようになってから。その前に、送る相手の条件を絞ります
