この記事は、note「SNS採用ラボ」にも載せています。
採用の歩留まりとは
採用の歩留まりとは、ある段に進んだ人のうち、次の段まで進んだ人の割合のことです。もとは、ものづくりで「材料のうち、製品になった割合」を指す言葉です。
式は次のとおりです。
次の段に進んだ人数 ÷ その段に進んだ人数
「どこかで人が減っている気はするが、どの段なのか数字で言えない」。採用担当の方から、よく伺うお悩みです。歩留まりの表があれば、減っている段を1つに絞れます。
この記事では、エクセル(ほかの表計算ソフトでも同じ)で、歩留まりの表を一から作る手順をお伝えします。
表は2枚に分ける
最初に、シートを2枚に分けます。
- 名簿シート 1人1行。起きたことを書くだけ
- 集計シート 名簿を数えるだけ。手で数字を書き込まない
1枚に名簿と集計を並べると、行を足したときに集計の範囲がずれて、数字が崩れます。書く場所と数える場所を分けるのが、崩さないこつです。
名簿シート:段に着いた日を書く
名簿シートの列は、次のとおりです。
| 列 | 書くこと |
|---|---|
| A | 名前 |
| B | 入口(スカウト・応募・過去の応募者・紹介) |
| C | 職種 |
| D | 声をかけた日(応募なら応募日) |
| E | 返事が来た日 |
| F | 面談した日 |
| G | オファーした日 |
| H | 承諾の日 |
| I | 入社日 |
| J | 止まった理由 |
大事なのは、「今どの段にいるか」を1列で書くのではなく、段ごとに着いた日を書くことです。日付が入っていれば、その段まで進んだと分かります。あとから月ごとに数えることもできます。
止まった人も、行を消しません。消すと、割り算の下の数が減って、歩留まりが実際より良く見えます。
集計シート:COUNTで数える
集計シートには、段ごとに1行ずつ式を入れます。名簿シートの名前を「名簿」とした場合の例です。
| 段 | 人数の式 | 歩留まりの式 |
|---|---|---|
| 声をかけた | =COUNT(名簿!D:D) | ― |
| 返事が来た | =COUNT(名簿!E:E) | =B3/B2 |
| 面談した | =COUNT(名簿!F:F) | =B4/B3 |
| オファーした | =COUNT(名簿!G:G) | =B5/B4 |
| 承諾 | =COUNT(名簿!H:H) | =B6/B5 |
| 入社 | =COUNT(名簿!I:I) | =B7/B6 |
COUNTは、数字や日付が入っているセルだけを数えます。見出しの文字は数えないので、日付が入った人数がそのまま出ます。歩留まりの列は、セルの書式を「パーセント」にします。
たとえば、返事が来た人が10人、面談した人が5人なら、5÷10で50%です(数字は説明のためのものです)。
入口別・月別に分けて数える
全体の数字に慣れたら、入口ごとに分けます。スカウトで返事が来た人数なら、次の式です。
=COUNTIFS(名簿!B:B,”スカウト”,名簿!E:E,”<>”)
「<>」は、空ではないセルという意味です。入口の名前を変えれば、応募や過去の応募者も同じ形で数えられます。
月ごとに見るときは、声をかけた日で区切ります。
=COUNTIFS(名簿!D:D,”>=”&DATE(2026,10,1),名簿!D:D,”<“&DATE(2026,11,1))
同じ月に声をかけた人が、そのあとどこまで進んだかを追えるので、文面や探し方を変えた月の前と後を比べられます。
数字が出たら、直すのは1か所
歩留まりがいちばん低い段を1つ選び、その段だけを直します。
- 声をかけた→返事が低い:件名と一文目、探す相手の条件
- 返事→面談が低い:返す速さ、日程の出し方
- 面談→オファーが低い:探す条件と、面談で確かめること
- オファー→承諾が低い:条件の伝え方、決めてもらう時期
比べる相手は、世の中の平均ではなく、自社の先月です。人数が少ないうちは割合が大きくぶれるので、割合の横に人数も並べて見ます。
まとめ
- 採用の歩留まりは、次の段に進んだ人数 ÷ その段に進んだ人数です
- 表は「名簿」と「集計」の2枚に分け、集計には手で数字を書きません
- 名簿には、今の段ではなく、段ごとに着いた日を書きます。止まった人も消しません
- 集計はCOUNTで段ごとの人数を、COUNTIFSで入口別・月別の人数を出します
- いちばん低い段を1つだけ直し、自社の先月と比べます
