この記事は、note「SNS採用ラボ」にも載せています。
目次
「違った」は、入社後の具体的な場面で起きる
採用ミスマッチについて、よく伺うお悩みがあります。
「入社して2か月の社員から、聞いていた仕事と違うと言われた。面接では、仕事の説明をきちんとしたつもりだった」
説明はしていても、伝わっているのは仕事の名前や流れまで、ということがあります。「違った」と感じるのは、入社後のある日の、具体的な場面です。最初に任された仕事、初めての忙しい週、初めての評価。
この記事では、入社後に「違った」となりやすい場面を5つに分け、それを選考の中で先に見せる方法をお伝えします。
数字で見る、前の職場を辞めた理由
厚生労働省の「令和6年雇用動向調査結果の概況」(2025年8月26日公表)で、転職して入った人が前の職場を辞めた理由を見ると、次のとおりです。
| 前の職場を辞めた理由 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 労働時間、休日等の労働条件が悪かった | 8.6% | 12.8% |
| 職場の人間関係が好ましくなかった | 9.0% | 11.7% |
| 仕事の内容に興味を持てなかった | 4.4% | 3.6% |
女性では、この表の上の2つが、「その他の個人的理由」を除いて最も多い理由です。男性では「定年・契約期間の満了」や「給料等収入が少なかった」のほうが多くなっています。
辞めた理由のすべてが、入る前に分かったはずのことではありません。それでも、働く時間や人との関わり、仕事の中身は、入る前に場面で見せられることです。
採用ミスマッチが起きやすい5つの場面
場面1:最初の2週間に任される仕事
求人に書いた仕事と、最初に任される仕事は違うことがあります。営業職でも、最初の2週間は資料づくりと同行だけ、ということはよくあります。
場面2:分からないことを聞くとき
誰に、どのように聞けばよいか。席で声をかけるのか、チャットで聞くのか、決まった時間にまとめて聞くのか。聞きやすさは、入ってすぐの毎日を左右します。
場面3:いちばん忙しい時期
繁忙期の帰る時間や、休日の出勤があるか。ふだんの週だけを伝えると、初めての繁忙期に「違った」が起きます。
場面4:初めての評価
何を見て評価されるのか。数字なのか、進め方なのか。初めての評価面談で、思っていた物差しと違うと気づくことがあります。
場面5:物事を決めるとき
自分で決めてよい範囲はどこまでか。誰の了承が要るのか。前の職場との違いが大きいほど、戸惑いも大きくなります。
選考の中で、場面を先に見せる3つの方法
5つの場面は、言葉の説明より、具体的な形で見せるほうが伝わります。
- 最初の2週間の予定表を見せる:実際に新しく入った人の予定を、名前を外して見せます
- 配属先の社員と30分話す時間をつくる:場面2と5は、一緒に働く人に聞くのがいちばん伝わります
- 繁忙期と評価の項目を、事実で伝える:繁忙期の月と帰る時間の目安、評価の項目を、書面で渡します
大変なところも、そのまま伝えます。良いところだけを見せると、入社後の「違った」が大きくなります。
配属先の社員と話す時間では、話してほしいことを先に頼んでおきます。「最初の2週間で戸惑ったこと」と「分からないことを、いまは誰にどう聞いているか」の2つです。会社の良いところを話してもらう時間にはしません。
候補者にも、気になる場面を選んでもらう
会社から見せるだけでなく、候補者にも聞きます。
「この5つの場面のうち、入社してから想像と違ったら困るのはどれですか」
選んだ場面について、前の職場ではどうだったかを聞きます。答えを聞いたうえで、自社ではどうなのかを事実で返します。選んだ場面が自社の弱いところなら、隠さずに伝えます。
この質問は、評価のためではなく、お互いの食い違いを先に見つけるためのものです。
ミスマッチは、ゼロにはできない
場面を先に見せても、採用ミスマッチがまったく無くなるわけではありません。人も職場も、入ってから変わっていくからです。
できるのは、入る前に分かったはずの食い違いを減らすことです。入社して1か月たったら、5つの場面のどこで戸惑ったかを本人に聞き、次の選考で見せる内容を直します。
SOCIAL RECRUITで、確かめる場面を先に選ぶ
SOCIAL RECRUITでは、候補者ごとの画面に「傾向分析」があります。候補者のプロフィールと、自社で書いておいた採用方針などをもとに、カルチャーフィットなどの参考値と、そう見た根拠を示します。あわせて、面接で確かめるとよい点を提案します。
この記事の流れには、次のように使います。
- 会う前に傾向分析を開き、根拠を読みながら、5つの場面のうち食い違いそうなものに印をつける
- 印をつけた場面を、予定表や配属先の社員との30分で、先に見せる
- 面接では、提案された確かめる点から1つ選び、前の職場ではどうだったかを聞く
参考値は、合う・合わないを決めるものではありません。どの場面を先に見せるかを選ぶための、会う前の材料です。
まとめ
- 入社後の「違った」は、仕事の名前でなく、具体的な場面で起きます
- 前の職場を辞めた理由として、女性では労働条件(12.8%)と人間関係(11.7%)が上位の2つです(厚生労働省・令和6年)
- 5つの場面=最初の2週間の仕事/分からないことを聞くとき/いちばん忙しい時期/初めての評価/物事を決めるとき
- 予定表・配属先の社員との30分・繁忙期と評価の書面で、選考の中で先に見せます
- 候補者にも、気になる場面を選んでもらいます
- 入社1か月後に戸惑った場面を聞き、次の選考で見せる内容を直します
