この記事は、note「SNS採用ラボ」にも載せています。
目次
「総合的に判断しました」しか残らない
「内定辞退の理由を聞いたが、『総合的に判断しました』と返ってきて、それ以上は聞けなかった」。中途採用を続けている会社から、よく伺うお悩みです。
内定辞退の理由は、聞き方しだいで、次の採用に生かせる材料になります。反対に、引き止めと一緒に聞くと、本当の理由は出てきません。
この記事では、内定辞退の理由を聞く前に決めること、3つの質問と例文、記録の型と生かし方をお伝えします。
聞く前に決める3つ
誰が聞くか
面接官や、入社後に上司になる予定だった人は避けます。本人が「この人には言いにくい」と感じるからです。採用担当が聞くのが基本です。
いつ聞くか
辞退の連絡を受け、それを受け止める返事を送ったあとに、1回だけ聞きます。引き止めの話と同じ連絡で聞くと、理由を言うことが交渉の材料に見えてしまいます。
どの形で聞くか
メールの返信で尋ねるか、本人がよければ5分ほどの電話にします。どちらにするかは、本人に選んでもらいます。
内定辞退の理由を聞く3つの質問
「なぜ辞退したのですか」とは聞きません。責められているように聞こえ、「総合的に」と返すしかなくなります。代わりに、次の3つを聞きます。
- 最後に決め手になったのは、どんな点でしたか
- 選考の中で、当社について分かりにくかったことはありましたか
- もっと早く知りたかったことは、ありましたか
1は、相手の決め手を聞く質問です。自社の足りないところを聞くより、答えやすくなります。2と3は、自社の伝え方を聞く質問です。次の採用で直せるのは、たいていこの2つから出てきます。
例文:理由を尋ねるメール
ご丁寧にご連絡いただき、ありがとうございました。ご判断、承知しました。
もし差し支えなければ、今後の採用の参考に、次のうち答えやすいものだけ教えていただけないでしょうか。
・最後に決め手になったのは、どんな点でしたか
・選考の中で、当社について分かりにくかったことはありましたか
・もっと早く知りたかったことはありましたか
もちろん、ご返信がなくても構いません。これまでお時間をいただき、ありがとうございました。
答えやすいものだけ、と書くと、1つだけでも返ってきやすくなります。
「総合的に判断しました」と返ってきたら
それ以上は聞きません。「総合的に」は、言いたくないという答えでもあります。
記録には「総合的に判断(詳しくは記載なし)」とそのまま書きます。空欄にしないのは、あとで並べたときに、理由を聞けなかった人の数も見えるようにするためです。
記録の4つの列
答えは、本人の言葉のまま、次の4つの列に分けて残します。
| 列 | 書くこと |
|---|---|
| 本人の言葉 | 返ってきた文をそのまま |
| 相手の決め手 | 質問1の答え(例:家から近い、任される範囲が広い) |
| 分かりにくかった点 | 質問2・3の答え(例:最初の3か月の仕事が見えなかった) |
| 迷い始めた段 | 分かれば、どの面接のあとから迷い始めたか |
辞退した日と、また連絡してよいかの答えは、辞退者の記録にある列に足します。
3か月ごとに並べて、次の採用に生かす
3か月に一度、記録を並べます。人数が少ないうちは、傾向ではなく、1件ずつ読みます。
- 分かりにくかった点が同じなら:次の面接で、その場面を先に見せます。たとえば「最初の3か月の仕事」なら、配属先の社員から話してもらう時間を作ります
- 相手の決め手に、自社にもあるものが出てきたら:面接で伝えていなかった可能性があります。次から、面接で確かめる点と伝える点に加えます
- 迷い始めた段が同じなら:その面接の進め方を見直します
本人の言葉は、半年後にもう一度声をかけるときの手がかりにもなります。決め手が「任される範囲」だったなら、そこが変わったときが連絡の時期です。
まとめ
- 内定辞退の理由は、引き止めと切り離し、受け止めの返事のあとに1回だけ聞きます
- 聞くのは採用担当。面接官や上司になる予定だった人は避けます
- 「なぜ」ではなく、決め手・分かりにくかった点・早く知りたかったことの3つを聞きます
- 「総合的に判断」と返ってきたら、それ以上は聞かず、そのまま記録します
- 4つの列に残し、3か月ごとに並べて、面接で見せる場面と次に声をかける時期に生かします
