この記事は、note「SNS採用ラボ」にも載せています。
目次
会いたい人ほど、応募してこない
求人サイトに出していて、応募はそれなりに来る。けれど、いま活躍している社員のような人からは来ない。そういう人は、そもそも転職サイトにいないのではないか。
この見立ては、外れていないことが多いです。仕事がうまくいっている人ほど、自分から転職サイトに登録する理由がありません。いまの職場に大きな不満はなく、もっと合う場所があれば話は聞いてみたい。そういう人は、求人を探す時間をわざわざ取りません。
この記事では、転職サイトの外にいる人がどこにいるのか、どの順番で声をかけるのかをお伝えします。
数字で見る:考えている人と、動いた人
総務省統計局の「労働力調査(詳細集計)2025年平均」では、次のとおりです。
- 転職等希望者:1,023万人(前年より23万人増)
- 実際に転職した人:330万人(前年より1万人減)
転職等希望者は、いまの仕事を辞めてほかの仕事に変わりたい人や、ほかの仕事もしたい人のことです。考えている人の数と、実際に動いた人の数には、大きな開きがあります。
考えてはいるけれど、まだ動いていない。そういう人の多くは、転職サイトに登録していないか、登録していても見ていない可能性があります。求人を出して待つだけでは、この層には届きにくいのです。
出典:総務省統計局「労働力調査(詳細集計)2025年(令和7年)平均結果」2026年2月13日公表
転職サイトの外にいる、3つの場所
1. 仕事の話を公開しているSNS
自分の仕事について、SNSで発信している人がいます。担当している仕事の工夫、お客様とのやり取りで学んだこと、業界の話題への考え。こうした発信は、本人が「見られてよい」と決めて出しているものです。
プロフィールに、いまの職種や担当している業界を書いている人も少なくありません。条件に合うかどうかの最初の目安になります。
2. 勉強会・登壇・寄稿などの公の場
業界の勉強会で話した人、記事を書いた人、資料を公開している人。仕事に向き合う姿勢が、本人の言葉で外に出ています。
3. 仕事の成果として公開されているもの
作った作品、担当した事例の紹介、受賞の記録などです。何をしてきた人かが、事実として残っています。
どれも、転職サイトとは違って「転職したい」とは書かれていません。だからこそ、声のかけ方に作法が要ります。
声をかけるまでの4つの手順
手順1:採りたい人の条件を3つに絞る
条件を10個並べると、誰にも当てはまりません。経験・働く場所・仕事の姿勢など、外せないものを3つに絞ってから探します。
手順2:公開されている情報だけを見る
見てよいのは、本人が仕事や公の場で出している情報だけです。鍵のかかったアカウント、家族や私生活の投稿、写真から分かる住まいなどには触れません。
手順3:読んだことを、決めつけない
発信から分かるのは、その人のほんの一部です。「この人はこういう人だ」と決めつけず、「こういう仕事が合うかもしれない」という仮説として持っておきます。確かめるのは、会って話すときです。
手順4:連絡を望まない人には送らない
プロフィールに「営業・勧誘の連絡はご遠慮ください」などと書いている人には送りません。一度断られた人にも、くり返し送りません。
一人ずつ、理由を書いて声をかける
転職サイトの外にいる人は、自分が探されているとは思っていません。だから、最初の一文で「なぜあなたに連絡したのか」が伝わらないと、読まれずに終わります。
公開されている発信から事実を1つ拾い、それを一文目に置きます。会社の紹介は二文目以降で十分です。そのうえで、選考ではなく「30分ほど仕事の話を」と、小さな一歩をお願いします。
- 直す前:「当社では現在、営業職を募集しております。ご興味があればご応募ください。」
- 直した後:「取引先の事例紹介で、販売店の立ち上げをご担当された記事を拝見してご連絡しました。」
最後に「ご関心がなければ、ご返信は不要です」と添え、返事をしない選択肢を残します。
一度に多くの人へ同じ文面を送るより、条件に合う人を少しずつ選んで、一人ずつ書くほうが、会社の印象も守れます。
まとめ
- 転職等希望者は1,023万人、実際に転職した人は330万人です(総務省統計局・2025年平均)
- 考えてはいるが動いていない人は、転職サイトの外にいることが多いです
- 居場所は、仕事の話を公開しているSNS、公の場での発信、公開されている仕事の成果です
- 公開されている情報だけを見て、本人を決めつけず、連絡を望まない人には送りません
- 条件を3つに絞り、一人ずつ「なぜあなたに」を書いて声をかけます
