この記事は、note「SNS採用ラボ」にも載せています。
目次
「転職は考えていません」で止まってしまう
スカウトを送ったら、「いまは転職を考えていません」と返ってきた。そこでやり取りが終わり、次にどうすればいいか分からない。
返事が来ただけでも、文面は読まれています。止まってしまうのは、相手にとっての「次の一歩」が、転職か、何もしないかの二択になっているからです。
転職を考えていない人は、会いたい人の中でも大きな層です。いまの仕事で成果を出していて、自分から転職サイトを開く理由がない。けれど、合う話があれば聞いてみたい気持ちはある。その人たちに届く声のかけ方は、応募を待つ人へのものとは違います。
この記事では、転職を考えていない人に声をかけるときの作法を5つお伝えします。
相手にとって、スカウトは何か
転職を考えていない人にとって、会社からの連絡は、予定していなかった用件です。忙しい日の合間に届き、読むかどうかは数秒で決まります。
そのとき相手が考えているのは、次の3つです。
- なぜ、自分に連絡が来たのか
- 返事をしたら、何をすることになるのか
- 断ったら、気まずくならないか
多くのスカウトは、1つ目に答えないまま、2つ目の募集の説明から始まります。そして3つ目には触れません。相手は、自分宛てかどうか分からないまま、断る気まずさだけを感じて閉じます。
5つの作法は、この3つに一つずつ答えるためのものです。
声をかける5つの作法
作法1:送る前に、公開されている情報だけを見る
相手が仕事や公の場で出している情報を読みます。鍵のかかったアカウントや私生活の投稿には触れません。読んだことから本人を決めつけず、「こういう仕事が合うかもしれない」という仮説にとどめます。
作法2:一文目に「なぜあなたに」を書く
読んだ情報から事実を1つ拾い、一文目に置きます。
「業界の勉強会で話されていた、提案資料の作り方の資料を拝見してご連絡しました。」
会社の紹介や募集の説明は、そのあとで十分です。
拾う事実は、仕事に関することにします。趣味や家族の話題を一文目に置くと、どれほど丁寧に書いても「そこまで見られている」と感じさせます。
作法3:応募をお願いしない
転職を考えていない人に「ご応募ください」と書くと、返事のハードルが一気に上がります。お願いするのは、もっと小さな一歩にします。
- 30分ほど、オンラインで
- 選考ではなく、仕事の話をする時間
- 日程は2つの候補から選べる
作法4:断りやすくしておく
最後に「ご関心がなければ、ご返信は不要です」と書きます。返事をしなくても失礼にならないと分かると、かえって気軽に返事ができます。
返事の期限も書きません。転職を考えていない人に「◯日までにご返信ください」と書くと、急かされている印象だけが残ります。
作法5:連絡を望まない人には送らない
プロフィールに勧誘お断りと書いている人には送りません。断られた人に、同じ文面をくり返し送ることもしません。
送る数を増やすより、送らない人を決めるほうが先です。
文面の例
業界の勉強会で話されていた、提案資料の作り方の資料を拝見してご連絡しました。株式会社◯◯の◯◯です。
当社では、お客様の課題を聞いて提案をつくる営業の仲間を探しています。いまご転職を考えていらっしゃらなくても構いません。
◯日の午後か◯日の夜に、30分ほど仕事のお話をさせていただけませんか。選考ではありません。
ご関心がなければ、ご返信は不要です。
「いまは考えていません」と返ってきたら
断りの返事が来たら、まずお礼を伝えます。そのうえで、次の2つのどちらかにします。
- 「承知しました。お返事をありがとうございました」で終える
- 「もし今後、仕事のお話だけでも聞いてみたいと思われたら、いつでもご連絡ください」と、扉だけ開けておく
半年後などにこちらから連絡したいときは、その場で一度だけ了承を確かめます。了承をもらえなかった人に、こちらから時期を決めて追いかけることはしません。
断りの返事をくれた人は、少なくとも文面を最後まで読み、時間を使って返してくれた人です。その手間へのお礼が丁寧に伝われば、会社の印象は良いまま残ります。
まとめ
- 転職を考えていない人にとって、スカウトは予定していなかった用件です
- 送る前に見るのは公開されている情報だけ。本人を決めつけません
- 一文目に「なぜあなたに」を書き、お願いは30分の仕事の話にとどめます
- 「返信は不要です」と書き、連絡を望まない人には送りません
- 断られたらお礼を伝え、相手から連絡できる扉だけ残します
