この記事は、note「SNS採用ラボ」にも載せています。
採用ペルソナは、項目が決まっていないとぶれる
「採用ペルソナを作ったが、人によって書く中身が違い、結局使われなかった」。採用担当の方から、よく伺うお悩みです。
項目を決めずに書き始めると、年齢や趣味まで並んだ人物紹介になりがちです。読み物としてはそれらしくても、探すときにも、面接のときにも使えません。
テンプレートで項目を先に決めておくと、誰が書いても同じ細かさになります。この記事では、そのまま使える9つの項目と、記入例をお見せします。
採用ペルソナのテンプレート(9項目)
| # | 項目 | 書くこと |
|---|---|---|
| 1 | 任せる仕事 | 入社して任せる仕事を1文で |
| 2 | 1年後の姿 | 1年後にできていてほしいこと |
| 3 | 入社した日から要る経験 | 2つまで |
| 4 | 入社してから身につけばよいこと | 教えられること |
| 5 | 仕事の進め方 | 二つの良いことのどちらを取るか。2組まで |
| 6 | 優先してほしいこと | ぶつかったとき、どちらを先にするか |
| 7 | 合わない場面 | この仕事で苦労しそうな場面 |
| 8 | いまいそうな場所 | どんな仕事をして、どこで仕事の話をしていそうか |
| 9 | 面接で確かめる問い | 3つ |
1〜4は「何ができる人か」、5〜7は「どう働く人か」、8〜9は「どう探し、どう確かめるか」です。
記入例:運送会社の配車担当
| # | 項目 | 記入例 |
|---|---|---|
| 1 | 任せる仕事 | トラック20台の配車を組み、運転手と荷主の間を調整する |
| 2 | 1年後の姿 | 忙しい時期の配車を一人で組み、急な欠員にもその日のうちに代わりを手配できる |
| 3 | 入社した日から要る経験 | 人の予定を組む仕事の経験(業種は問わない)/電話で相手の事情を聞きながら調整した経験 |
| 4 | 入社してから身につけばよいこと | 運送の決まり、荷主ごとの約束ごと、地名 |
| 5 | 仕事の進め方 | 固めてから出すより、速く決めて直す/一人で抱えるより、相談しながら進める |
| 6 | 優先してほしいこと | 荷主の急な依頼より、運転手の安全と休みを先に守る |
| 7 | 合わない場面 | 毎朝のように予定が変わる。計画どおりに進むことを何より大切にする人は疲れやすい |
| 8 | いまいそうな場所 | 製造・介護・小売などで、シフトや工程を組む仕事をしている人。仕事の工夫を公開している人 |
| 9 | 面接で確かめる問い | 予定が当日に崩れたとき、最初に何をしましたか/二人の頼みがぶつかったとき、どう決めましたか/誰かの休みを守るために、断ったことはありますか |
3で業種を問わないとしたことで、8の探す場所が運送業の外まで広がっています。項目どうしがつながっていると、ペルソナは探すときに使えます。
書かない項目
次のことは、テンプレートに入れません。
- 年齢・性別
- 出身地・家族構成
- 趣味・人生観・信条
厚生労働省は「公正な採用選考の基本」で、本籍・出生地や家族に関すること、人生観や思想など、本人に責任のないことや本来自由であるべきことを採用選考に持ち込まないよう求めています。年齢も、募集・採用の際は原則として不問としなければならないとされています(厚生労働省の事業主向け資料)。
仕事と関係のない項目を書くと、探すときの思い込みにもつながります。
テンプレートの使い方
書いたら、現場に直してもらう
採用担当だけで埋めず、配属先の責任者に見せます。特に2の「1年後の姿」と、7の「合わない場面」は、現場の言葉に直してもらいます。
項目ごとに使う場面を分ける
– 3と8で、探す
– 5と7で、書類や公開されている発信を読み、仮説を持つ
– 9で、面接で確かめる
5と7から読んだことは、あくまで仮説です。本人を決めつけず、9の問いで本人の言葉を聞いて確かめます。
半年ごとに見直す
採用した人がペルソナとどこが違ったかを、1行ずつ書き足します。違いが重なった項目から直します。
まとめ
- 採用ペルソナは、項目を先に決めないと、人によって中身がぶれます
- テンプレートは9項目。何ができるか・どう働くか・どう探し確かめるか、に分けます
- 記入例のように、項目どうしをつなげると、探す場所まで決まります
- 年齢・性別・出身・家族・信条などは書きません
- 現場に直してもらい、項目ごとに使う場面を分け、半年ごとに見直します
